【ゆうゆうLife】高年齢雇用継続給付金(産経新聞)

 ■60歳到達で確認したい 資格生じる75%の賃金

 60歳を過ぎた後も働くとき、新たな給与が60歳時の75%未満の人には高年齢雇用継続給付金が支給される。「働く意欲をそがないように」という国の制度だが、申請しないと給付されないので注意が必要だ。定年退職するとき、再就職するかどうかにかかわらず「60歳到達時の賃金証明書」を発行してもらい、“自分の75%”の金額を知っておくと安心だ。(牛田久美)

 ◆華麗なる転身も…

 東京都内で会社員として出版業務に携わっていた小林豊さん(61)=仮名=は、文壇論壇の人々との幅広い交流が注目され、定年退職と同時にテレビ番組制作会社に引き抜かれた。活字から映像へ、媒体は異なるが取材対象は同じ。「未来を見据えて雑誌とテレビの融合を図りたい」と仕事の継続を決めた。

 月の賃金35万円を受け取りながら、視聴者が増えれば手取り額も増える出来高払いの契約。現役時代の68万9680円からほぼ半減したが、番組制作の体験は初めて。現場で教わりながら活字作品の映像化を勉強する生活は楽しかった。給与が75%未満に下がると支給される高年齢雇用継続給付の支給限度額は33万5316円のため、資格はなかった。

 ところが、働き始めて半年ほどたったころ、積年の無理がたたり仕事は休みがちになった。そのため、時間短縮勤務に契約変更となり、月の賃金は20万円に激減した。小林さんの60歳時の賃金は約69万円で、高年齢雇用継続給付制度の上限44万6700円を超えているため、44万6700円と比較すると新しい月の賃金は44・77%に低下している。

 本来なら小林さんはこの時点から、新給与の15%の高年齢雇用継続給付を受け取る資格があった。月の賃金が20万円だから支給額は月3万円だ。しかし、番組制作会社は社員数人の小さなチームで、労務管理の専門部署はない。小林さんも制度を知らず、申請していなかった。

 ◆情報収集は自分で

 給付が受けられたことに気付いたのは、番組制作会社を退職した昨年末。雇用保険の基本手当(失業給付)について相談したハローワークで、雇用保険の加入状況を調べてもらったときだった。

 「働いている間はハローワークは無縁だと思っていたけれど、雇用継続の制度があった。知っていれば利用できたのに」と残念そうに話す。定年後も同じ会社や関連会社で働くときは人事部が手続きをしてくれるが、全く別の会社に再就職するときは注意が必要だ。

 もともと高年齢雇用継続給付は、年金の支給開始が60歳から65歳に引き上げられるのに伴って平成7年に創設された。「働く意欲がある人まで不必要に失業給付に流れてしまうことを防ごうという趣旨」(厚生労働省雇用保険課)で、平成20年は月平均22万人が受給している。

 定年退職するときは再就職するかどうかにかかわらず、「60歳到達時の賃金証明書」を発行してもらい、“自分の75%”の金額を知っておくと安心だ。

 再就職先を探すとき、給付資格があることを雇用主に告げ、人件費削減効果があることを伝えることもできる。働く側からすれば就職口も広がるし、公的給付(年金、雇用継続給付)がどれだけ得られるか考えることで、手取り額も高くすることができる。企業も人件費を抑えることができ、労使双方にメリットがある。60歳以上の雇用を促す制度の趣旨とも合う。

 多くの人にとって関心が高い退職後の収入額。年金については年金機構(旧・社会保険事務所)で、雇用継続給付や失業給付についてはハローワークで教えてくれる。

 一人の人生に丹念に耳を傾け、複雑な国の制度と照らして助言してくれるワンストップサービスがあるといいが、残念ながら実現していない。

政治資金はクリーンに 首相(産経新聞)
環境と経済成長の両立を=アジア中南米フォーラムで提案−岡田外相(時事通信)
特捜部係官、続々と捜索に=議員会館、6年10カ月ぶり緊迫−東京地検(時事通信)
石川議員、13日に再聴取=土地購入代の性格追及−東京地検(時事通信)
<将棋>久保が羽生破る 王将戦第1局(毎日新聞)
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。